Linuxディストリビューション

2019年8月17日

 自分がLinuxに興味を持ったのは、情報システムの会社に就職した頃である。当時、NEC EWS4800上でCやUNIXコマンドを実習して、自宅でもUNIX系OSが使用できないかと思っていた。
 パソコンというと、NEC PC-9800シリーズが独占状態で、一部のシェアを富士通 FM TOWNSやシャープのX68000が獲っていた。
 その後、CPUの処理能力が向上するに連れてPC/AT互換機が日本でもDOS/Vパソコンとしてシェアを取り始めてきた。富士通 FM TOWNSやPC/AT互換機でもCD-ROMが内蔵されるようになり、マルチメディアとしてケームや写真集、海外のWindowsソフトウェアアーカイブのようなものがCD-ROMで販売されるようになった。マルチメディアCD-ROMを専門に販売するお店も秋葉原にいくつかあった。
 ちょうどその頃、PC/AT互換機で動作するUNIX系OSのCD-ROMも販売されるようになった。Softlanding Linux System(SLS)やSlackwareRed HatなどのLinuxディストリビューションFreeBSDが店頭で購入できた。
 Slackwareなどのディストリビューションに日本語環境を追加するパッケージJEが付加されたCD-ROMが販売されたり、Linux解説書が出版されて、Linuxをパソコンに導入するための情報も増えてきたことから、日本では、普及が徐々に進んだのだろうと個人的に思っている。
 FreeBSDも最初は、Linux同様の人気があったが、導入の解説書がLinuxに比べて少なかったことがLinuxほど普及しなかった原因ではないかと思う。現在は、圧倒的にLinuxのシェアの方が高い。
 最初インストールしたLinuxディストリビューションSLSやSlackwareでは、X Window Systemを起動させるのも大変だった。
 現在もそうであるがパソコンのビデオカードメーカーが複数あり、各ビデオカードごとに設定ファイルXF86Configを/etc/X11以下に保存させないと全くX Window Systemが起動せず、最悪の場合、モニターを壊してしまう恐れがあった。
 UNIX Userなどの雑誌で設定ファイルXF86Configの書き方の記事があり、エディタviで書き写して何度も起動するか試した。X Window Systemが起動したときは、苦労が報われた思いで本当に感激した。
 このように当時、設定があまりに大変で、商用のX WindowサーバであるAccelerated-Xを購入した記憶がある。
 今は、Linuxインストーラー自体がGUIでインストール直後にX Window Systemが起動し、ログイン後にGNOMEKDEXfceといったデスクトップ環境、ウィンドウマネージャも起動するのでLinux普及初期の頃に比べれば、非常に便利になった。
 Slackwareの後に人気が出てきたディストリビューションは、Red Hatではなかったかと思う。今では、商用Linuxというと完全にRed Hatになるほどの知名度を誇っている。パッケージ管理システムにRPM Package Manager(RPM)を自己開発していて、今ではSUSEMageiaといったディストリビューションも採用している。日本のVine LinuxやTurbolinuxも採用している。
 Red Hatは、最初日本では、五橋研究所という会社がインストールCD-ROMを販売していたが、アメリカのRed Hat自体が日本で販売するようになった。
 日本が開発したRPM系のディストリビューションでは、Vine LinuxやKondara MNU/Linuxがインストール直後から日本語環境を整えやすいこともあって自分は、好きなディストリビューションだった。Vineはぶどう、Kondaraはバイクに乗ったペンギンキャラクターがかっこよく好きだった。
 Vineは、今でも公式サイトからダウンロードでき使用することができるがKondaraはプロジェクト解散となってしまい、非常に残念である。バイクに乗ったペンギンキャラクターの壁紙やノリが気に入っていた。開発メンバーの一部は Momonga Linuxへ移動したみたいであるが、公式サイトを見るとお知らせが2012年を最後に止まってしまっている。
 Red Hatは、有償であるが、Red Hat互換の無償版は、CentOSScientific Linuxが利用できる。そういえば、Scientific Linuxは、開発を終了することを発表して驚いた。
 Red Hatが支援するコミュニティーが開発したFedoraもあり、デスクトップとして使用するのであれば、パッケージの多いFedoraの方が良いと思う。
 Red Hat系Linuxが普及していた頃に遅れてDebianがリリースされた。パッケージ管理がRed Hatよりも強力ということで話題になった。最初、自分も初期のDebianをインストールしてみたものの、dselectというパッケージ管理フロントエンドの使い方がよくわからなくてDebianに挫折した記憶がある。aptコマンドを直接使うようになってパッケージのインストール、アップグレード、削除が楽になった。
 今では、Debian派生ディストリビューションを使っている。Debianの利点は、パッケージ管理のしやすさとパッケージの多さにあると思う。今では、オープンソースソフトウェアバイナリの提供が大抵、dpkg形式で配布されるのでコマンド一発で導入できるのもありがたい。
 Linuxは、Debianで決まりだろうと思っていたところ、UbuntuというDebian派生ディストリビューションが出てきた。イギリスのCanonicalという会社が出したディストリビューションでDebianのテスト版を元に作られている。
 実際に使ってみるとDebianを洗練させた感じになっている。Ubuntuの最新バージョンは、現時点で19.04だが、日本語表示も綺麗である。Linuxをデスクトップとして使おうとすると以前は、日本語フォントが滲んだような淡い感じでWindowsに劣っているように思われたが最近のLinuxディストリビューションは、かなり綺麗になったと思う。
 ディストリビューションによっては、日本語フォントのパッケージが足りないとデスクトップメニューやブラウザでの日本語表示が中華フォントになっておかしな表示になってしまったこともあったがUbuntuではそのようなことはない。さくっと時間をかけずにデスクトップとして使うのであれば、Ubuntuが一番良いと思う。ネット上の情報も多く、困った時にGoogleで検索すれば大抵、解決する。
 Ubuntuの以前のバージョンでは、ウィンドウマネージャにGNOME 2を採用していたが、Unity、GNOME 3へと変わっていった。GNOME 2は、どちらかというとWindowsに近い操作感があったが、UbuntuのUnity、GNOME 3は、macOSにような操作感がある。
 メニューが上部にあって起動アイコンが左に並んでいるのが自分は好きではないのでウィンドウマネージャの違うUbuntu派生ディストリビューションを利用している。
 Linuxが日本で普及し始めた当初は、X Window System標準のtwmFVWMしかなかったが、AfterStepEnlightenmentWindow Makerも導入できるようになった。その後、GNOME、KDEというデスクトップ環境が登場して高機能になった。GNOME、KDEは、どうもウィンドウマネージャとは呼ばず、デスクトップ環境と呼ぶようである。
 自分は、Lenovo Thinkpad T470sを持っていて最初、GNOME 2からフォークされたMATEをデスクトップにしたUbuntu MATEを使っていたのだが、Qtでの開発に興味を持ち、KDEをデスクトップにしたKubuntuをインストールして使っている。KDEは、動作が重いという情報もあったのだが使ってみると重いとは思わなかった。

 最近、AMD Ryzen 7 2700XASRock B450M Steel Legendでパソコンを組んだのだが、Kubuntuのインストーラーが起動しなかった。ビデオカードにNVIDIA GeForce GTX1060を搭載したものを使用し、Ryzen 7 2700X自体には内蔵GPUが搭載されていないこともあってKubuntuのインストーラーがNVIDIA GeForceのビデオカードに対応できていないように思われた。
 KDEが使いたかったのでKDEをデスクトップに採用しているopenSUSEのインストールも試してみたが、インストーラーが起動しなかったので、KDE以外のディストリビューションLinux Mintを試してみたところ、問題なくインストーラーが起動し、正常にインストール完了した。
 インストールしたLinux Mintは、デスクトップにGNOME 3から派生したCinnamonを採用したエディションでバージョンが19.2である。Ubuntu派生のディストリビューションで19.2は、Ubuntu 18.04に対応するバージョンである。DistroWatch.comのページヒットランキングで現在3位のディストリビューションで以前は、1位だったこともある。
 インストーラーが起動したのは、恐らく、NVIDIAのビデオカードに対応したフリーのドライバであるnouveauがインストーラーに組み込まれていたからだと思われる。NVIDIA自身が開発提供しているLinux用ドライバにもLinux Mint起動後にGUIで切り替えることができた。
 少し使った感想としては、Windows XPや7のような操作感でUnityやGNOME 3の違和感が全くなかった。KDEほどの派手さはないが直感的に操作できるので人気があるのがよくわかった。Qt Creatorもaptコマンドでインストールできたし、デスクトップの完成度も高いと思った。正直、もっと早く使えば良かったと感じた。今後、ブログでは、いくつかインストール後に行ったカスタマイズについて書いてみたい。