AIに心は宿るのか

2019年4月28日

 今日、某図書館のビブリオバトルというイベントがあり、バトラーとして参加した。テーマは「ミライ」だった。紹介したのは、AIに心は宿るのかという本で2018年2月に集英社インターナショナルから出版されている新書である。




 公立はこだて未来大学で教授をされている松原仁先生が書かれた本である。先生は、2014年から2016年に人工知能学会会長を務められているAIの専門家である。自分がなぜ、この本に興味を持ったかというと、自分は下手の横好きながら将棋が好きで、将棋に興味があったのだが、将棋の世界でもAIが取り入れられてここ数年でプロ棋士でも太刀打ちできないほど強くなってきた。松原先生は、コンピュータ将棋の専門家でもあり、その方が、AIについて書かれていたのでこの本に興味を持った。
 この本の最初の方では、AIが小説を書くという事例が紹介されている。「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」というプロジェクトで星新一さんのショートショート作品、約1000作品をすべて解析してAIに2000字程度の小説を書かせるというもの。
 実際にこの本では、その小説が掲載されており、星新一賞に応募して人間の作品と同様に審査されて一次審査を通過したということが書かれている。
 AIの作家が進化すれば、将来、小説のオーダーメイド化が実現して好きな作家と小説のタイプを入力すれば、読者の好みに合わせてカスタマイズされたオリジナル作を膨大なパターンから選んで提供するというサービスが生み出せるかもしれないと書かれていた。
 この本のタイトルは「AIに心は宿るのか」であるが小説を読む時、人は誰しもその文章から書き手の心の動きを思い描く瞬間があるのでAI作家が書いた小説を人間が読んで作家自身の心の動きが感じられれば、AI作家には心が宿っていると松原先生は考えられていて、なるほどと思った。
 将棋の羽生善治九段との対談も興味深く、棋士と将棋ソフトの局面の認識の違いなども書かれていて面白かった。
 ビブリオバトルでは、5人のバトラー、20人ほどの観客がいて、本の紹介時間は5分、質疑応答2分の7分間でバトラーは持参した本の紹介を行ったが、何と自分が紹介したこの本がチャンプ本に選ばれてしまった。AIの技術的な解説書ではなく、AIの現状と未来を知ることができ、非常に面白かったので紹介できてよかった。
 この本のなかで「フレーム問題」という未解決の問題が紹介されていたが解説例がピンとこなかったので自分でもネットで調べてみようかと思っている。

AIに心は宿るのか (インターナショナル新書)
松原 仁
集英社インターナショナル
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